プール施工に関わる法規制

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プールの設置には、施設の規模や用途に応じた法的手続きが伴います。特に不特定多数が利用する施設は保健所への届け出が不可欠で、水質、施設、維持管理という3つの基準をクリアしなければなりません。本記事では、許可が必要なプールの判断基準から、建設・運営時の法規制、自治体ごとの条例の違い、施工業者選びのポイントまで実務に役立つ情報を網羅して解説します。

不特定多数が利用するプールは
保健所への届け出が必須

遊泳用プールを新設する場合、各自治体の条例に基づき、保健所への届け出や許可取得が求められます。厚生労働省が示す衛生管理基準を指針として、各自治体が独自の条例で運用している状況です。

個人宅のプライベートプールは対象外となるケースが大半ですが、所有者としての安全配慮義務まで免除されるわけではありません。規定を確認せずに着工すると、行政指導や近隣トラブルを招く恐れがあります。計画の初期段階から管轄の窓口へ事前相談をおこないましょう。

法規制の対象となる
遊泳用プールの定義

東京都の基準では、容量50立方メートル以上の貯水槽を設けて公衆に水泳や水浴をさせる施設が「プール」として定義され、条例上の規制対象となります。これに満たない施設は小規模プールとして区別されます。※1

ホテルやスポーツジムに設置するプールは該当するケースがほとんどで、個人宅であっても規模によっては自治体の条例対象になるため注意が必要です。なお、学校施設には別途「学校保健安全法」および「学校環境衛生基準」が適用されます。

プール建設時に適用される
主な法規制

プールの建設時は、施設の安全性を担保するための法的基準を満たす必要があります。複数の関連法規が複雑に絡み合うため、施工前の早期確認がプロジェクトを円滑に進める鍵です。

建築確認申請が必要になる
規模と条件

一定規模以上の施設を建設する際は、建築基準法に基づく建築確認申請が不可欠。屋外プールであっても、地盤を支える擁壁(土留め壁)などの工作物を伴う場合や、付属する更衣室や機械室などの建築物がある場合は対象となります。当然ながら、建築確認申請は工事の着手前に完了させなければなりません。

審査期間は法定上35日以内※2とされていますが、実務では図書の準備や補正対応に時間を要し、想定以上のスケジュールがかかるケースも少なくありません。そのため、計画段階から前倒しで申請準備を進めておきましょう。

※2参照元:e-Gov法令検索「建築基準法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201#Mp-Ch_1

消防法による防火水槽指定と
給排水に関する下水道条例の
注意点

常時40立方メートル以上の水量を保有するプールは、消防署との協議により消防法に基づく指定水利(防火水槽)として指定を受ける場合があります※3。指定を受けた際は、消防車が容易に接近・取水できる構造など、一定の設計要件が求められます。

また、大量のプールの水を一度に排水すると下水管に大きな負荷がかかるため、着工前に管轄の消防署や下水道局へ確認を取ることが欠かせません。下水道条例は自治体によって基準が異なるため、個別に確認することが重要です。

営業許可を取得するために
クリアすべき3つの基準

遊泳用プールとして保健所の営業許可を取得するためには、水質、施設、維持管理に関する3つの基準をすべて満たさなければなりません。

水質基準

衛生面と安全面から複数の項目が厳しく設定されています。水素イオン濃度は5.8から8.6の範囲内、遊離残留塩素濃度は0.4mg/L以上、大腸菌は検出されないことなどが条件です※4

遊離残留塩素濃度とpHについては毎日複数回の測定※4が義務付けられています。大腸菌や一般細菌等は毎月1回以上、総トリハロメタンは毎年1回以上の測定※4が必要。基準を下回った場合は直ちに原因を特定し、塩素剤の追加や換水などの対応を講じましょう。

※4参照元:厚生労働省「遊泳用プールの衛生基準について」 PDF(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei01/pdf/02a.pdf

施設基準

利用者が安全に過ごせる構造になっているかを問うものです。1日に全水量を複数回処理できるろ過設備の設置や、オーバーフロー溝、吸い込み事故を防ぐための堅固な金具の固定などが義務付けられています。男女別の更衣室やシャワー室といった付帯設備も要件のひとつ。近年はバリアフリー設計や省エネ設備の導入を推奨する自治体も増えています。

維持管理基準

営業を続けるにあたっては、日々の管理における厳格なルールの遂行が必須です。責任者として衛生管理者を配置しなければなりません。また、水質検査結果を記録した管理日誌を作成し、3年以上保管する義務があります※5。日々の水質管理に加え、循環ろ過設備や吸い込み防止金具などの定期点検も欠かさず実施し、いつでも安全な状態を保つことが求められます。

※5参照元:厚生労働省「遊泳用プールの衛生基準について」 PDF(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei01/pdf/02a.pdf

監視業務の委託、警備業法の
認定が必要なケースとは

監視員の配置は利用者の命を守るために不可欠です。有償で監視業務を専門会社に委託する場合、その会社が警備業法に基づく認定を受けている必要があります。水難事故を防ぐ監視業務は、法的に施設警備と見なされるためです。

一方、施設管理者の自社スタッフが行うケースや、PTA、地域ボランティアが無償でおこなう場合、指定管理者が自ら担うときなどは、警備業法上の営業に該当しません。そのため、認定なしで監視業務を担うことも可能です。

施主が知っておくべき、
トラブルを防ぐための事前準備

管轄保健所への事前相談

設計や施工のトラブルを未然に防ぐには、着工前に管轄の保健所へ事前に相談しておくことが重要です。窓口では、届け出に必要な手続きの流れや衛生管理に関する具体的なアドバイスを受けられます。自治体によっては独自の申請様式や追加資料を求められるケースもあるため、早めの確認を怠らないようにしましょう。

自治体ごとの独自条例を
確認する

国の基準に加え、自治体ごとの独自条例にも注意が必要です。東京都のプール等取締条例のように、地域によっては国の基準よりも厳格なルールが設けられています。

水質検査の頻度や報告書の提出方法、監視員の配置人数なども地域差があるため、対象地域の条例については、必ず各都道府県や市区町村の公式窓口で最新情報を確認してください。

法規制を理解した上で
施工業者を選ぶ

法規制に対応するのは施主やオーナーが主体となるものの、すべてを自力で把握するのは容易ではありません。保健所対応の実績があり、法令に関わる部分は設計士などの専門家と連携しながら進めてくれる業者であれば、安心して任せやすいでしょう。

当メディアでは、プール施工業者各社の特徴を徹底調査し、多くの施工実績が確認できる専門業者を施設タイプ別に厳選しました。より信頼できる相談・依頼先選定の参考としてご活用ください。

導入施設別
プール施工業者おすすめ3選

各社の施工事例や特徴を調査し、現在導入が進んでいる「リゾート宿泊施設」「レジャー施設」「リハビリ施設」の3つの施設タイプ別に、おすすめのプール施工業者を紹介します。依頼先選定の参考としてお役立てください。

ヴィラ・グランピング・ホテルなどの
リゾート宿泊施設
マジラインプールカンパニー
プールカンパニー 事例1
引用元:プールカンパニー公式HP
(https://poolcompany.jp/contract/#gallery_4-1)
プールカンパニー 事例2
引用元:プールカンパニー公式HP
(https://poolcompany.jp/contract/#gallery_11-1)
プールカンパニー 事例3
引用元:プールカンパニー公式HP
(https://poolcompany.jp/contract/#gallery_20-1)
こんなプールが実現できる
  • 景色と水面が溶け合う
    インフィニティプール
  • 客室ごとに独立管理・メンテナンス
    できるプール
強み

700台のプール施工実績※1に基づく技術力とノウハウで、ロケーションの魅力を引き出し、施設のコンセプトを活かしたプールを設計・提案できる。

フランス発の高性能ブランド「マジラインプール」を採用。国際特許を取得したろ過装置※2により、各プールの水質管理を独立して行えるため、客室ごとの稼働状況に合わせたメンテナンスが可能になる。

スパ・テーマパークなどの
レジャー施設
ニッコン
ニッコン 事例1
引用元:ニッコン公式HP
(http://www.nicconpool.com/works/activity/kumamoto.html)
ニッコン 事例2
引用元:ニッコン公式HP
(http://www.nicconpool.com/works/activity/suzuka.html)
ニッコン 事例3
引用元:ニッコン公式HP
(http://www.nicconpool.com/works/activity/toubu.html)
こんなプールが実現できる
  • 仕掛けアトラクションのあるプール
  • 安全な間隔で滑走できる
    センサー付きウォータースライダー
強み

ウォータースライダーなどのアミューズメント設備を自社で設計・製造し、プールと遊具を組み合わせた話題性と集客力のあるアクティビティ空間を提案できる。

既存プールの改修や遊具の後付けにも対応。吸込事故を防止する施工など、プール事業48年※3で培った技術により、万が一の事故で運営が止まるリスクを抑えた施設へとリニューアルできる。

老人ホーム・デイケアなどの
リハビリ施設
ジャパンアクアテック
ジャパンアクアテック 事例1
引用元:ジャパンアクアテック公式HP
(https://jat.ne.jp/perform/reha-ex/)
ジャパンアクアテック 事例2
引用元:ジャパンアクアテック公式HP
(https://jat.ne.jp/perform/reha-ex/)
ジャパンアクアテック 事例3
引用元:ジャパンアクアテック公式HP
(https://jat.ne.jp/perform/reha-ex/)
こんなプールが実現できる
  • 流れの強さを調整できるプール
  • 車椅子のまま入水できる
    リフト付きプール
強み

歩行が難しい方が安全に入水できる電動リフトや、回復に合わせて強さを調整できる流水プールなど、リハビリに特化した専用機器を自社で研究開発・製造。歩行や機能訓練向けの水中環境をつくりだせる。

既存の建物にも設置しやすい、軽量なFRP製プールに柔軟に対応。外から姿勢を確認できる観測窓など、他施設と差別化したリハビリ用プールを実現できる。

※1参照元:プールカンパニー公式HP|2026年4月現在(https://poolcompany.jp/about/
※2参照元:プールカンパニー公式HP(https://poolcompany.jp/reason/
※3参照元:ニッコン公式HP|2026年4月現在(http://www.nicconpool.com/company/
導入施設・目的別
プール施工業者おすすめ3選