プール素材の選定ポイント

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プールの構造素材は、引き渡し後の施工品質や耐久性、将来のメンテナンスコストを大きく左右する重要な要素です。利用目的や周辺の設置環境によって適した素材は異なるため、費用のみで安易に判断してしまうと、中長期的な維持管理費が想定外に膨らむこともあります。

本記事では、代表的な4つの構造素材の特徴を比較し、将来の維持管理まで見据えた素材の選び方を解説します。

プール施工に使われる
4種類の構造素材と特徴

プール建築で主に採用される構造素材は、FRP、コンクリート、ステンレス、PVCライナー(自立型躯体パネル工法)の4種類です。それぞれで耐久性能やメンテナンス性、中長期のコスト構造が異なるため、各素材の特徴と選定のポイントを正しく把握しておくことが重要です。

FRP(ガラス繊維強化
プラスチック)

船体などにも広く使われる、軽量かつ卓越した強度を備えた成形素材です。弾力性を有するため地震の揺れによるひび割れリスクが低く、素材そのものが高い防水性を備えています

  • 軽量でありながら強度が高く、ひび割れしにくい
    構造物の総重量を大幅に抑えられるため、階上や屋上階へのプール施工にも柔軟な対応が可能です。
  • 表面が滑らかで汚れがつきにくく、清掃が容易
    藻の付着や水垢などの汚れを落としやすく、施主の日常的なメンテナンス負担を軽減できます。

一方で、紫外線による経年劣化の影響を受けやすく、表面の退色や微細なチョーキング現象が起こり得る点は把握しておく必要があります。性能を維持するためには、5から7年を目安にトップコートの再塗装メンテナンスが必要となる点に留意しましょう

※参照元:プール施工・建設工法の選び方ガイド(https://www.pool-construction-method.com/contractor/material.html

コンクリート
(タイル・石貼り仕上げ)

現場で型枠を組み、強固な基礎躯体を一体成形する伝統的な構造素材です。経年による構造の歪みが極めて少なく、耐久性が高いという強みがあります。

  • 形状や深さの自由度が高く、意匠性を追求できる
    フリーフォーム(変形プール)や特殊な水深設計が容易で、施主のこだわりを細部まで実現できます。
  • 仕上げ材を自由に選択でき、上質で高級感のある空間を演出
    モザイクタイルや天然石を用いることで、ハイエンド施設に調和する、より洗練された美しいプールに仕上げられます。

コンクリートのリスクとして挙げられるのは、特有の乾燥収縮によるクラック(ひび割れ)から生じる水漏れの発生です。目地の劣化に伴うタイルの剥がれや、定期的な防水層の全面塗り直しなど、将来的な改修コストがかさみやすい点には注意が必要になります。

ステンレス

耐久性の高い金属パネルを現地で溶接結合し、水槽を組み上げる構造素材です。金属特有の遮水性と、荷重・水圧に耐える強靭さを兼ね備えています。

  • 耐食性に優れており、長期間にわたるサビの発生を防ぐ
    塩分や塩素への耐性が高く、屋外の過酷な気候にさらされる環境であっても安定した品質を維持できます。
  • 素材自体の寿命が長く、大規模修繕の頻度を減らせる
    構造そのものが劣化しにくいため、数十年にわたって大規模な修繕をおこなう手間やコストを大幅に抑えられます。

構造体自体が防水層となるため漏水リスクは著しく低い反面、素材そのものの価格や現地での高度な溶接工事によって、導入時の初期費用が高くなりやすい傾向があります。

PVCライナー+自立型樹脂・
鋼板パネル

頑丈な自立型パネルの枠組みに対して、工場生産された厚手の高密度PVCライナー(遮水シート)を内側に張り巡らせることで、独立した防水水槽を形成する先進的な工法です。断熱材をシームレスに組み込んだ躯体パネルを使用するため、高い保温効果があり、加温システムの熱効率を高める温水プールに特に適した特性を備えています。

  • 躯体のひび割れや歪みによる漏水を防ぐ
    厚手のシートが水圧を均等に分散します。シートは躯体に密着していないため、地盤の変化などでパネルにわずかな歪みが生じても、柔軟に追従して水漏れを防ぎます。
  • 適度な弾力性と柔軟性で、接触時の衝撃を和らげる
    コンクリートやタイルに比べて柔らかく衝撃を吸収しやすいため、壁や床へ強く接触してしまった場合のダメージを和らげ、ケガのリスクを軽減できます。

運用面においては、10〜15年ごとのシート交換や、鋭利な突起物によるシート破損リスクへの注意が必要です。引き渡し時には、日常管理の注意点を明確に伝えておく必要があります。

素材選定時に確認すべき
3つのポイント

用途に合った断熱性と、環境に
耐えうる防水性を見極める

温水プールを想定する場合、水温の低下を防いで熱効率を高める断熱構造パネルの導入が適しています。また防水性については、設置予定の環境(地盤の動きや屋上など)において、長期間確実に水漏れを防げる構造かどうかという漏水リスクの低さを見極めることが、素材選びの重要な判断基準となります。

初期費用だけでなく、維持・
修繕を含めたトータルコストを
比較する

コンクリートやFRP構造では数年周期での再塗装、シート工法では定期的な交換が必要になります。採用する素材によって将来発生するメンテナンス費用が異なるため、初期の建設費用だけで判断せず、引き渡し後の長期修繕計画を含めたトータルコストでシミュレーションを行うことが重要です。

素材特有の耐用年数と
劣化リスクを事前に
把握しておく

採用する素材によって、構造上の耐用年数や劣化の進み方は異なります。コンクリートのひび割れやFRPの変色など、素材ごとに将来起こり得る劣化のパターンをあらかじめ把握し、施設側で無理なくチェックや対応ができる素材かについても考慮することで将来的な維持管理コストを低く抑えられます。

施主への素材提案で実務上
押さえておきたい3つの視点

施主から相談を受けた際は、単なるデザインの要望だけでなく、現地の物理的な施工条件と予算のバランスを照らし合わせて客観的に判断するための視点が求められます。

施主の潜在ニーズを
「デザイン」「予算」「用途」
の3軸で整理する

意匠性、総予算、利用目的の3つの軸からヒアリングを掘り下げます。初期費用と維持費のどちらのウェイトを重視するかといった具体的な問いかけをおこなうことで、施主側の優先順位が明確になり、根拠のある素材絞り込みを進めやすくなるでしょう。

現場条件(地盤強度・搬入経路・耐荷重制限)から選択肢を
絞り込む

設置予定の敷地周辺に大型重機や資材運搬車が進入できる経路があるかどうかが、最初の選定要素となります。特に屋上階への設置や狭小地での施工など、建築物自体の耐荷重やアプローチに制限がある場合は、分割搬入や手卸しが可能な軽量素材を検討するなど、現場の状況から逆算して現実的な選択肢を絞り込みます。

高度な防水技術や特殊な形状
が求められる場合は、プール
専門業者との
協業を検討する

変形プールや特殊な水深設計、あるいは屋上への設置など、高度な防水技術や構造計算が必要となる場合、自社だけで施工を進めるのは将来的な水漏れトラブルのリスクが高まります。同様のケースで実績のあるプール専門業者と協力体制を築くことで、施工リスクを回避しながら提案の幅を広げられるため、結果として自社の受注品質と顧客満足度の向上につながります。

素材はその後の運用まで
視野に入れて選定を

構造素材の選定は完成時の見た目にとどまらず、将来的な維持管理の現場負担やランニングコストまで考慮することが施主の満足度や信頼獲得につながります。施工に携わる事業者は、自社の得意な工法だけに選択肢を狭めず、プール専門業者とのパートナーシップも視野に入れることが、自社の受注品質を高める大きな鍵となります。

当メディアでは、プール施工業者各社の特徴や事例を徹底調査し、施設タイプ、目的別におすすめの専門業者を厳選しています。プロジェクト着工前の業者選定にぜひお役立てください。

導入施設別
プール施工業者おすすめ3選

各社の施工事例や特徴を調査し、現在導入が進んでいる「リゾート宿泊施設」「レジャー施設」「リハビリ施設」の3つの施設タイプ別に、おすすめのプール施工業者を紹介します。依頼先選定の参考としてお役立てください。

ヴィラ・グランピング・ホテルなどの
リゾート宿泊施設
マジラインプールカンパニー
プールカンパニー 事例1
引用元:プールカンパニー公式HP
(https://poolcompany.jp/contract/#gallery_4-1)
プールカンパニー 事例2
引用元:プールカンパニー公式HP
(https://poolcompany.jp/contract/#gallery_11-1)
プールカンパニー 事例3
引用元:プールカンパニー公式HP
(https://poolcompany.jp/contract/#gallery_20-1)
こんなプールが実現できる
  • 景色と水面が溶け合う
    インフィニティプール
  • 客室ごとに独立管理・メンテナンス
    できるプール
強み

700台のプール施工実績※1に基づく技術力とノウハウで、ロケーションの魅力を引き出し、施設のコンセプトを活かしたプールを設計・提案できる。

フランス発の高性能ブランド「マジラインプール」を採用。国際特許を取得したろ過装置※2により、各プールの水質管理を独立して行えるため、客室ごとの稼働状況に合わせたメンテナンスが可能になる。

スパ・テーマパークなどの
レジャー施設
ニッコン
ニッコン 事例1
引用元:ニッコン公式HP
(http://www.nicconpool.com/works/activity/kumamoto.html)
ニッコン 事例2
引用元:ニッコン公式HP
(http://www.nicconpool.com/works/activity/suzuka.html)
ニッコン 事例3
引用元:ニッコン公式HP
(http://www.nicconpool.com/works/activity/toubu.html)
こんなプールが実現できる
  • 仕掛けアトラクションのあるプール
  • 安全な間隔で滑走できる
    センサー付きウォータースライダー
強み

ウォータースライダーなどのアミューズメント設備を自社で設計・製造し、プールと遊具を組み合わせた話題性と集客力のあるアクティビティ空間を提案できる。

既存プールの改修や遊具の後付けにも対応。吸込事故を防止する施工など、プール事業48年※3で培った技術により、万が一の事故で運営が止まるリスクを抑えた施設へとリニューアルできる。

老人ホーム・デイケアなどの
リハビリ施設
ジャパンアクアテック
ジャパンアクアテック 事例1
引用元:ジャパンアクアテック公式HP
(https://jat.ne.jp/perform/reha-ex/)
ジャパンアクアテック 事例2
引用元:ジャパンアクアテック公式HP
(https://jat.ne.jp/perform/reha-ex/)
ジャパンアクアテック 事例3
引用元:ジャパンアクアテック公式HP
(https://jat.ne.jp/perform/reha-ex/)
こんなプールが実現できる
  • 流れの強さを調整できるプール
  • 車椅子のまま入水できる
    リフト付きプール
強み

歩行が難しい方が安全に入水できる電動リフトや、回復に合わせて強さを調整できる流水プールなど、リハビリに特化した専用機器を自社で研究開発・製造。歩行や機能訓練向けの水中環境をつくりだせる。

既存の建物にも設置しやすい、軽量なFRP製プールに柔軟に対応。外から姿勢を確認できる観測窓など、他施設と差別化したリハビリ用プールを実現できる。

※1参照元:プールカンパニー公式HP|2026年4月現在(https://poolcompany.jp/about/
※2参照元:プールカンパニー公式HP(https://poolcompany.jp/reason/
※3参照元:ニッコン公式HP|2026年4月現在(http://www.nicconpool.com/company/
導入施設・目的別
プール施工業者おすすめ3選